ヤクルト41歳・石川 200勝への道…現役最多173勝、167センチ小さな大投手

 今年は新型コロナウイルスの影響で無観客スタートとなったプロ野球のキャンプ。デイリースポーツでは、球場で観戦できない読者に代わって、最前線の今をお届けする『プロ野球番記者ワイドEYE』(随時掲載)を企画。ヤクルトからは『石川雅規の“小さな大投手”が200勝を目指す道』。41歳を迎えても1軍で投手陣をけん引する石川雅規投手の原点とは?本人を直撃しました。

  ◇  ◇

 貪欲な姿を浦添の太陽が優しく照らす。チーム最年長として挑むプロ20年目へ。石川は120球を投げ込む日を作るなど、早くもエンジン全開だ。「少しダメだと、どうしても年齢のせいにされてしまう」。そこに慢心はなかった。

 167センチ、73キロ。小さな背中で幾度となくチームを救ってきた。そんな石川を人は“小さな大投手”と呼ぶ。現役最多の173勝を記録し、目標の200勝まであと27。勝ち星を積み重ねてきた原点は反骨心だった。

 「今となっては、小さい体で頑張っているといろいろ取り上げてもらってうれしいですよね。僕の中にある根本は、やっぱり大きい人に負けたくないという反骨精神。それは引退するまで持ち続けたいですし、その気持ちがなくなれば勝負できないと思っています」

 幼い頃から、小柄な体格が「コンプレックス」だった。小学校で「前へならえ」をすれば、いつも先頭。当時のことを「練習についていくのが必死だった」と振り返る。だからこそ、石川は考えたという。知力を駆使した野球が、知らず知らずのうちに身についた。

 「どうやったら人より速く走れるか。球は遅いけど、キレのいい球を投げるためにはどうしたらいいのか。自然と頭を使って野球をやっていたと思いますね。まともにやっても勝てないですから」

 秋田県出身。幼い頃から木と木の間、川と川の間をジャンプしたり、田んぼ道を走り回った。自然の中で培ってきた「自分の体を扱うこと」が現在にも生きており「自然と他の子にはできない特殊なものが培われたような気がします」と笑う。

 さらに3歳から父と行ったキャッチボールでの「胸に投げなさい」という教えも、いつも胸に刻んでいる。幼少期の体験と共に、磨いた制球力が武器だ。

 「いつか打てるかも、が僕の生き抜く道。僕は圧倒的な投球こそできませんが、でもそれぞれが生き抜くすべはあると思う。僕にとっては打てそうで打てないというのが、20年プロでやれている武器なのかなと思いますね」

 2勝に終わった昨年からの巻き返しに、心を静かに燃やす。意気込みには「尽」の文字をしたためた。「尽力という言葉がすごく好き。試合中に腕がぶっ壊れてもいいから、チームに尽くしたいです」。200勝へ続く道。簡単ではないことは分かっている。だからこそ石川は、全力を尽くしていく。

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