ヤクルト・石川 安田さん魂継承だ!大先輩の訃報惜しむ「僕らに指標を作ってくれた」

 「練習試合、ヤクルト5-2楽天」(21日、ANA BALL PARK浦添)

 ヤクルトは21日、球団OBの安田猛さんが20日に胃がんのため逝去したことを発表した。73歳だった。安田さんは「ペンギン投法」と呼ばれた独特の左サイドスローで70年代のヤクルトを支え、78年に球団初のリーグ優勝と日本一に貢献した。同じ左の技巧派でもある石川雅規投手(41)は大先輩に思いを寄せ、魂の継承を誓った。

 20日に突然の訃報が入った。安田さんが逝去。石川は「スワローズの左(投手)というと、一番最初に思い浮かべていた」と惜しんだ。

 70年代に活躍したエースと、現在も現役のベテラン。活躍する時代は全く異なる。それでも縁が、石川に転機をもたらしていた。

 07年にシュートとの“出会い”があった。わずか4勝に沈んだ苦しい年に、安田さんから助言を受けたという変化球。左腕は「すごく影響を受けた。シュートがあるから今の自分がある」と感謝の言葉が尽きなかった。

 先輩の作ってきた道を歩き、その先を切り開いていく。石川は今年初の実戦登板となった練習試合・楽天戦で後継者としての証しを示した。球速は140キロに届かない。それでも磨き抜かれた制球力がある。2回2安打無失点。「いろいろなボールが狙ったところに投げられた」と抜群の安定感を見せつけた。

 安田さんは81イニング連続無四死球のプロ野球記録を樹立し、2度も最優秀防御率のタイトルを獲得した。「剛速球ではなくても抑えられる、僕らに指標を作ってくれた人。僕もそういう投手になれるように頑張りたい」。歴史を紡ぎ、思いを受け継ぐ-。石川には目指す背中がある。

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