巨人・桑田新コーチに太鼓判!広島OB北別府氏が現役時代の対決エピソードも語る

 巨人は12日、OBの桑田真澄氏が巨人の1軍投手チーフコーチ補佐に就任したと発表した。同氏の現役時代を知る広島OBでデイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「必ずやいいコーチになると思う」と早くも太鼓判を押した。

  ◇  ◇

 桑田君は私たちのあとの時代の球界を代表するエース。あの体でコントロールやスピード、技術的にも申し分ない投手だったね。コンスタントに2桁勝利を記録していたし、メジャー行きがなければ200勝してもおかしくなかった。性格的に冷静沈着でコツコツやるタイプ。それを原監督も守備しながら見ていたんでしょう。常に平常心でマウンドに上がる。何があっても表情を変えずに淡々と。人間性もいい。それに研究熱心。

 (現役時代、ボールの握り方を聞かれたことがあるという。同じ球種でも人によって握り方が違う。タテの変化を意識するカーブと横の変化を意識するカーブ。落ちるスライダーもある。それこそ握り方は変化に応じて無数にあるといってもいい)

 現役を引退して早稲田大学の大学院へ進んだでしょう。野球熱心というだけでなく本当に勉強家ですよ。彼は持って生まれた天才的な能力である運動神経の良さに加えて努力も欠かさない人。体格に恵まれない分、人一倍努力しただろうし、悩んだこともあったに違いない。しかし、それを克服したからこそ173勝という成績を残せたはず。うまくその経験を指導に生かすことができると思う。天才的な才能だけでは人を教えられないもの。

 (桑田氏への絶賛が続いたが、一瞬だけ、トーンが変わった。それは投手北別府×打者桑田、投手桑田×打者北別府の対決に話が及んだ時だ)

 桑田君が唯一手を抜くところは打席に入った相手が投手だった時ですよ。初球に何気なくスーッとストレートで入ってくる。投手に対しては油断があったのかもしれない。僕は何回か彼から勝利打点を挙げているんですよ。でも私は彼のインサイドをガンガン攻めた。なぜなら打たれるからです。

 (1987年7月8日の巨人-広島11回戦。場所は札幌円山球場。この試合の四回裏、投手北別府は打者桑田にセンターへ決勝の3ランホームランを打たれた。以来、打席に迎える桑田を投手と思って投げることはなかった)

 必ずゲームをつくる投手でもあったね。今日の桑田なら1点、2点しか取れない。ならば、という心積もりでその日の組み立てを考えたものです。技術力はもちろん、とにかく9回を投げきる精神力がすごかった。

 (敢闘精神、いや完投精神だ。桑田氏の投球記録の中で最も目を引くのは1990年に記録した22先発に対する17完投ではないか。通算213勝で最多勝2度などタイトル数6の北別府氏に対し、173勝でタイトル数4の桑田氏。概ね北別府氏が上回っているが、“完投率”は変わらない。460先発で135完投の北別府氏に対して396先発で118完投の桑田氏。ほぼ互角。両者とも非常に完投数が多い)

 私も投手コーチは経験しましたが、一つのアドバイスをきかっけに何かをつかむ選手と、つかみきれずに現状を抜け出せない選手がいるということに大変ジレンマを感じました。速い球を打たれると、もっと速い球を投げようとする。逆に緩い球を投げればストレートをもっと速く見せることができるのにそこへたどりつけない。選手に理解させるのは簡単ではありません。しかし、桑田君ならきっと選手の力を生かし切れる素晴らしい名コーチになれると思う。

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