「日本シリーズ・第３戦、ソフトバンク４－０巨人」（２４日、ペイペイドーム）

　ソフトバンクが第１戦、第２戦に続く完勝で、日本シリーズ１１連勝とし、４連覇に王手をかけた。先発のムーアは７回まで無安打投球。それでも工藤監督は継投策を選択。八回はモイネロが無安打投球。九回に登板した森が２死から丸に中前打を浴びて“ノーヒットノーランリレー”は逃したが、最後はウィーラーを打ち取った。

　日本シリーズでノーヒットノーランを達成した投手はこれまで不在。史上初の快挙達成まであと２イニングとしながらの交代だった。ムーアは「そこは監督の決断。勝つために最善の策でやっていると思うので選手として従うだけだと思っている」とさらりと話した。

　髪を切り、蓄えていたヒゲもそり落としてのマウンド。「凄い楽しめましたし、試合が始まる前は高ぶったものもありました。（中村）晃がホームランを打ってくれたた後は深呼吸できる感じで投げられた」と明かす。１５０キロを超える直球を主体に、カーブ、チェンジアップを効果的に配球。７回を９３球、打者２４人に対し、許した走者は失策による２人と２四球による計４人のみだった。

　初回は味方の失策でいきなり無死２塁のピンチを背負ったが、後続を断った。「変な意識は全く考えず、今投げるこの１球が大事だと思って投げている。二塁に行かれたが自分が打たれて二塁に行くこともある」と動じなかった。

　六回には無死から自らの失策で走者を許したが、吉川尚、松原を中飛、坂本を空振り三振に退けた。「いい当たりもされましたし、ピンチを迎えたんですが、甲斐がタイムをとってくれて『気を引き締めて』と声をかけてくれたので気合がもう一度入りました」と振り返った。

　先発投手の無安打での降板は０７年の中日－日本ハム第５戦での中日・山井以来。山井は八回まで無走者に抑え、九回の岩瀬との“完全リレー”を達成している。今季の最後の登板を快投で締めくくり「個人的にもいい結果になって良かったと思います」と笑顔を見せた。