巨人Vに貢献した鉄壁リリーフ陣 その舞台裏は…村田コーチ「意思疎通しっかり」

 2年連続38度目のリーグ制覇を果たした巨人。今季は投手を含めた守りが鉄壁だった。特に目立ったのは安定した成績を残したリリーフ陣の奮闘。ブルペン松下村塾を開催し、リリーフ陣に傾向と対策を投手陣に惜しみなく伝えた村田善則ブルペンコーチにインタビューした。

 ◇ ◇

 -ブルペンでは投球練習前にモニターを見ながら対策をたてていた。リリーフ陣にどういうアドバイスを送ったか。

 「当然、ミーティングはしていくんですけど、中継ぎ投手が登板する前に相手バッターは打席を重ねていくわけで、その中で試合前のミーティングどおりなのか、多少、実際に変化があるのか、調子のいい状態かを打席を追うごとに把握できるので、それを伝えていったりしました」

 (続けて)

 「右対右、左対左の時のケースは投手によって絞られてくるので、こういうボールで入ったほうが安全だよとか、こういうボールなら大胆にこのコースは使えるよとかを確認しながら、それを参考にしていってもらってる感じですかね。あとは打線の流れ、展開によってそれぞれの働き場所はあるので、それを明確に伝えるという感じですかね」

 -原監督の強い推薦で昨シーズン中からブルペンコーチになられた。原監督からも期待を受けていたが。

 「引き続き、感性を伝えることと、あとはやっぱり、私自身、キャッチャー出身なので、ポジション柄、よく見えることがある。スムーズなその準備だとか展開を予測して、早く準備させること。そういうところをしっかりやることですかね」

 -今年はリリーフ陣の起用の失敗がほぼなかったと記憶している。

 「ベンチの宮本さんとこまめに連絡を取り合って、意思疎通がしっかりできましたね。宮本さんが『どう?』って聞いてくるときもあるので、『こういう状況なので、このピッチャーのほうがいいんじゃないですか』とか『この展開はこういうピッチャーのほうがいいんじゃないですか』とか答えられる時はしっかりと状況を把握して伝えられるようにしています」

 -トレード入団の高梨投手、昨年まで経験のなかった大江投手も獅子奮迅の活躍。セの打者の対戦経験がない中でしっかり抑えることができたのは。

 「高梨も途中から、大江も1軍の経験がないなかで、相手のバッターの特色がよくつかめていない状態でここまできてました。2人とも左ピッチャーなので、左ピッチャーにはこのバッターはこういう対応をしてくるよとか、こういうボールを2人、この軌道だったら凡打に打ち取る方がこのバッターには有効だよとか、いう話をしてイメージを伝えていって、こういう球使いをすることによって、このバッターは抑えられるよと言いったら『分かりました。利用します』とか『参考にします』とか日々、繰り返しながらきた感じですかね」

 -記憶に新しいところでは大江投手が10月4日の阪神戦で無死満塁から登板し3人で抑え勝利投手になりましたが、どのようなアドバイスを。

 「大江を準備をしておいてくれという連絡はきていたので、まあこの流れだと、ここまでつながれたらいきそうだねとかという話をしながら、作っててそうなるとこのバッターからだねとか、想像しながら、このケースはこういう待ち傾向が強いよと送り出した感じでしたね」

 -村田コーチといえば、長嶋巨人のもと2000年に仁志、清水、江藤、松井、高橋由、二岡といった強力打線のもとでスタメンに名を連ねた。当時の打線と今の打線、スコアラーとして対策を練るのはどちらが苦労しそうか。

 「当時とは違う攻撃のカラーだと思うんですけど、何て言うのか、どちらも中軸はしっかりしていますし、若い勢いのある選手はいるので、どちらも抑えていくのは難しいだろうなと思いますよね(笑)。嫌だなと思いますよね」

 -松下村塾から育った伊藤博文ら山形有朋らはのちに総理大臣となった。大江ら若い投手もゆくゆくは日本球界を背負う、WBC級の投手になってほしいと?

 「まあまあそうですね。やるからにはまずはしっかりジャイアンツで頑張って、自然と評価されますのでね。そのへんは、積み重ねしかないと思うんですけど、いい場所で起用されていて、本人もそこでいい結果がでたり、もちろん打たれる時もありますけど、その繰り返しの中で確実に進んでいくと思うので、そういう経験を経て、最終的には日本を代表する、背負える選手になってくれればなと思いますね」

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