「野球界の常識」を変えた巨人の優勝 内田順三氏の視点

 巨人が2年連続38度目(1リーグ時代を含めて47度目)のリーグ優勝を決めた。新型コロナウイルスの影響で変則日程となったシーズンで、他球団を寄せつけない独走Vとなった。昨季まで巨人コーチを務めていた内田順三氏(デイリースポーツ・ウェブ評論家)は、優勝の一因にもなった積極的なトレードや若手起用に着目。原監督や球団の方針が「野球界の常識を変える1年になった」と振り返った。

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 優勝の要因はいろいろあるが、今年は総合力が際立っていた。菅野を筆頭に主力、若手、移籍組、1軍とファームの指導者、フロントが一体となった成果だろう。

 今年はコロナの影響もあるが、巨人が野球界の常識を変える1年になったと思う。シーズン中にトレードを次々と敢行し、楽天から獲得したウィーラーと高梨が大きな戦力となった。ロッテに移籍した沢村も活躍。選手を生かすトレードで、『出された』といったイメージを覆した。

 1、2軍の入れ替えも同じ。これまでは選手も2軍に『落とされる』という考え方があったと思うが、今年の巨人は違う。首脳陣が『リフレッシュして戻ってこい』と送り出すから、落ち込んでいる暇はない。実際、微調整して調子が上がると10日で再チャンスが与えられていた。

 野手では前半に北村、重信、石川らを使っていたが、状態が下がると後半は松原、若林、田中俊を上げてスタメンで起用。投手陣も同じように、若手の競争を活性化させて戦力を底上げした。

 コンディション管理を考えて負け試合では次々と主力を休ませ、野手の増田大を登板させたことも話題となった。アイデアマンの原監督を中心にシーズンで勝つことだけを考えた結果が、他球団との大きな差となった。

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