ヤクルト・五十嵐、涙なき笑顔の引退試合「これからもヤクルトを愛して」

引退セレモニーであいさつする五十嵐
引退セレモニーでつば九郎(右)と肩を組み記念撮影に納まるヤクルト・五十嵐亮太=神宮球場(撮影・開出牧)
引退セレモニーでライトフェンスに登ってファンに向かってガッツポーズをするヤクルト・五十嵐亮太=神宮球場(撮影・開出牧)
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 「ヤクルト1-5中日」(25日、神宮球場)

 試合後、ヤクルトの五十嵐亮太投手の引退セレモニーが行われた。チーム全員が引退記念Tシャツを着用してベンチ前に並んだ。

 さわやかな笑顔を見せながら小走りでマウンドに向かった五十嵐は、高津監督や家族から花束を受け取ると、マイクの前に立った。

 「僕の思い出の詰まった神宮球場に立てていることに感謝の気持ちでいっぱいです。温かい声援ありがとうございます。その声援に背中を押され、助けられてきました」と感謝の言葉をつむいだ。さらに「お願いがあります」とファンに起立をお願いすると、「今年一番の拍手を選手、チームに送ってください。これからも東京ヤクルトスワローズとともに戦い、愛してくれるようによろしくお願いします」とヤクルト愛を全開にした。

 「23年間ありがとうございました」とナインから5度の胴上げをされると、場内一周ではフェンスによじ登ってファンに感謝した。

 この日の引退試合は、2軍からもドラフト1位・奥川をはじめ後輩たちが駆けつけ、同級生で長年互いを高め合ってきた石川もネット裏で見守った。ベンチからはロケットボーイズとして共に戦ってきた盟友・石井投手コーチ、そして高津監督もその最後の姿を目に焼き付けた。

 日米通算906登板目のマウンドは、とても温かかった。出番は八回。ゆっくりとマウンドに向かうと、拍手と「ありがとう」の声で包まれる。ナインたちは青木を先頭にマウンド上で集まり、一人ずつ抱擁してから守備位置へと散った。

 宣言通りの直球勝負だった。中日のシエラを143キロの直球で三ゴロに打ち取ると、高津監督がマウンドへ。指揮官とも抱擁し、最後の勝負を終えた五十嵐は柔和な笑顔を見せた。引退の記念球は、愛するスワローズファンの待つスタンドへ投げ入れられた。

 五十嵐が五十嵐らしく貫いた最後の舞台。涙はない、最後まで晴れやかな笑顔で、白球を置いた。

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