「ＤｅＮＡ５－４広島」（２５日、横浜スタジアム）

　打った瞬間、確信した。バットを放り投げて拳を握りしめた。同点で迎えた九回、２死一、二塁。ＤｅＮＡ・大和が塹江の初球、外角高めに甘く入った直球を捉えた一打は中越えのサヨナラ打となって人工芝で弾んだ。

　「とりあえずほっとしています。さすがに（中堅を）越えなかったらチャンスはないと思ったので、思いっきりバットを投げました」。ヒーローインタビューで笑顔を見せた。

　九回、無死から柴田が中前打で出塁。戸柱の犠打で１死二塁とし桑原二飛で２死となったが、梶谷が申告敬遠。２死一、二塁のサヨナラの好機に、打席を迎えた。

　５度目の正直だった。今季初めて２番で起用された。初回は無死一塁で二ゴロ併殺。三回も無死一塁で遊ゴロ併殺に倒れていた。五回は無死二、三塁で空振り三振、七回は２死二塁で空振り三振。４打席連続安打の１番梶谷の次打者として結果を残せずにいた。

　「きょう、打席に入って何をやっても全然駄目だったので、腹をくくって初球からやろうと思っていました」と振り返った。そして「ファンのみなさんの声援が打席に入るときに聞こえたので力になりました」と明かした。

　この試合に向けて散髪して臨んだという大和。「気持ちはリフレッシュしたつもりだったんですが野球に全然生かせなかった」と苦笑い。劇的なサヨナラ勝ちで連敗を３で止めた。「６連戦の頭をとったのはいいこと。この勢いで続けていきたい」と誓った。