「ソフトバンク２－３ロッテ」（２０日、ペイペイドーム）

　驚異の飛距離を見せつけた。１点を追う六回。チームが打ちあぐねていた種市の直球が甘く入ってきたところをフルスイングで完璧に捉えた。打った瞬間にスタンドインを確信したソフトバンク・柳田は、グングン伸びる打球を見つめながらゆっくりと歩きだす。着弾点はバックスクリーン中段。推定１４０メートル、一時同点となる豪快な１号ソロだ。

　今季のチーム１本目ともなった大アーチ。「いいスイングができて、ド真芯で完璧に打つことができた。過去にも完璧な本塁打は数回しかないけど、その中の一つという感じ。完璧」。思わず自画自賛するほどの珠玉の一打だった。

　６月の練習試合で１２戦６発と好調だった勢いをそのままシーズンに持ち込んだだけではなく、七回には左膝裏肉離れを負った昨年４月７日以来の盗塁も記録した。チームの勝利には結び付かなかったが「一戦一戦、戦っていくだけ」と下を向くことはなかった。