全日本大学野球選手権 史上初の中止決定 ドラフトどうなる…スカウト陣に大打撃

 全日本大学野球連盟は12日、オンラインで臨時理事会を開いて8月に開幕延期としていた全日本大学野球選手権の中止を発表した。1952年に第1回大会が始まって以来、史上初の出来事。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で今春のセンバツに続き、学生野球の全国大会では2例目の開催断念となった。

 過去68度続いてきた大学日本一を決める大舞台もコロナ禍によって開催することができなくなった。全日本大学野球連盟・内藤雅之事務局長は「加盟校の選手や関係者の安全、健康を最優先に考えて」と説明。全会一致で苦渋の決断に至った。

 4月の常務理事会では、例年の6月から8月に時期をずらしての開幕を目指していた。しかし、直後から事態は急転。政府によって緊急事態宣言が発令され、現在も全国ほとんどの大学で構内の出入り禁止や部活動に制限がかかっている。

 26連盟のうち、すでに2連盟が今春のリーグ戦の中止を決めていた。一度開幕した2リーグも中断中。加盟校の試合への準備期間も考慮し、「非常に無理な運営が予想される」(内藤事務局長)と各地区の判断を待たずして開催断念へとかじを切った。今後の全国各地のリーグ戦については情勢を踏まえて各連盟の判断となる。

 センバツに次いでの全国大会中止はNPBスカウトにとっても大きな痛手だ。阪神・畑山統括スカウトは「(オープン戦とは)緊張感が違う。最終学年の結果は大学生も評価ポイントになってくる」と、公式戦の減少で活動が困難となる苦しい思いを率直に述べた。

 各連盟には緊急事態宣言中の対外試合禁止や、夏季の宿泊や長距離移動を伴うキャンプや遠征をしないようにと要請された。同様の感染拡大リスクが起きうると考えれば、今回の決定が同時期に開催を予定している第102回全国高校野球選手権(8月10日開幕予定・甲子園)へ影響しないとは言い切れない。

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