「オープン戦、日本ハム８－７ＤｅＮＡ」（１４日、札幌ドーム）

　ここぞの大一番は“もってる”男によく似合う。日本ハム清宮が「６番・一塁」で、今年初めてオープン戦にスタメン出場。今季の定位置取りを狙う将来の主砲は、「何としても打ちたい気持ちは常にあった」とプロ入り初のサヨナラ打でアピールに成功した。

　２点を追う九回。ＤｅＮＡ・笠井が制球を乱し３四球で１死満塁。宇佐見の２点二塁打で同点としなおも２死二、三塁で打席が巡ってきた。「前の打者への攻め方を見ながら、狙って打ちに行きました」。やや高めの変化球を鋭いスイングであっさりと仕留めた。

　昨秋に受けた右肘手術の影響で今春のキャンプは出遅れたが、９日に１軍に合流。小笠原ヘッド兼打撃コーチから薫陶を受けている真っ最中だ。「感覚や考え方が、すごくスッと落ちてくるものがある。短期間ですけど、少し変わっている。今後も続けていきたい」と手応えを実感する。

　宿敵との対決も弾みにする。先発の桜井は、清宮が早実２年の秋の東京大会決勝で５連続三振した日大三の好投手だった。「（初回２死満塁の）大事な場面で、良い球でしたけど、しっかり見極められた」。フルカウントから内角低めの際どい変化球を見送り、押し出しの四球で“判定勝ち”。開幕レギュラーへ向け自信を深めた１日だった。