「オリックス紅白戦、紅組３－１白組」（９日、ＳＯＫＫＥＮスタジアム）

　こんな一発を誰もが待っていた。オリックス・Ｔ－岡田外野手が３２歳の誕生日を迎えたこの日、紅白戦で特大弾を放った。

　四回、カウント３－１から榊原の５球目、高めの直球を豪快に右翼スタンドまで運んだ。今キャンプ最多の１万６６００人が詰めかけたスタンドからは大きな拍手が湧き起こった。

　「カウントが良かったので真っすぐ一本で行った。感触は良かった。シーズンが始まって結果が残せたらああいう拍手がもらえると思う。結果を残していきたい」

　視察に訪れた宮内オーナーも笑顔だ。「期待のホームラン打った人もいる。正直、今年はやってくれるだろうと思っています」と期待感をにじませた。

　昨季はわずか１本塁打に終わり、シーズンオフには異例ともいえるプエルトリコのウインターリーグにも参加したＴ－岡田。そこで身に付けた「ポイントを中に入れて両目でボールを見る」打法が実りつつある。動くボールに対応するために手元まで引きつけて打つ。そのためにテークバックも小さくした。プロ１５年目にしてのマイナーチェンジが奏功している。

　西村監督は「ああいうものを見せてくれると存在感が増してくる」。かつての本塁打キングが復活へ大きく前進した。