侍・稲葉監督 五輪で金!3年計画集大成だ!近本ら阪神勢にも期待 インタビューで明かす

 野球日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督(47)が東京五輪イヤーを迎え、デイリースポーツのインタビューに応じた。昨年11月のプレミア12で優勝し、弾みをつけて臨む2020年。五輪メンバーの選考について「(プレミア12から)ごっそり違うチームになるというのは考えていない」としつつ、「みんなにチャンスがある」と新戦力の台頭にも期待。同大会での選出がなかった阪神勢では、近本光司外野手(25)らへの期待を口にした。

  ◇  ◇

 -五輪イヤーを迎えた。今年の一文字『結』に込めた意味は。

 「ある程度、3年計画でやってきた。最初は『学』、昨年は『創』、そして今年は『結』。これまで結束力ということを言い続けてきた。今年も結束を持って臨みたいということと、あとは結果。五輪で結果を出すということ。そして『全うする』、『締めくくる』という意味がこの言葉にはある。まさにそうだなと」

 -昨年のプレミア12では優勝。五輪に弾みがついた。

 「初めて世界一を獲る大会の指揮を執った。そこで、ある程度自分というものが分かった。投手交代もあえて早め早めにする。これも僕のやり方なんだろうなと。あとは選手とのコミュニケーションのタイミングだったり、声の掛け方だったり。そういうものは、自分の中でできてきたなというのはある」

 -年が明けて、選手選考が本格化する。プレミア12のメンバーが中心になるのか。

 「正直言って、すごく難しい。今回戦ったメンバーを連れていってあげたいなという思いはある。プレミアで戦ったメンバーは世界一を経験した。(代表への)気持ちも強く、本当に結束力という面で一つになったチームだった。そこからごっそり違うチームになるというのは、僕の中では考えていない」

 (続けて)

 「これまでの新聞などを見ていると、プレミアに出ていなくても、五輪に出たいという思いを持った選手は多い。当然、そういう選手も(五輪を)目指してほしい。(候補選手は)広く考えていかないといけないと思っている。みんなにチャンスがある」

 -阪神勢はプレミア12のメンバーに入らなかったが、期待している選手は。

 「国際試合は左投手が非常に貴重。岩崎だったりね。岩貞も(代表で)やってくれた。岩貞は先発だったが、岩崎は中継ぎとして名前も当然、(候補選手に)挙がってくる。この二人に関しては、今年もしっかり見ていきたい」

 -救援では藤川も存在感を発揮している。

 「球児ね。経験もあるし、(北京五輪で)一緒に戦った仲間でもある。彼の(代表への)思いというのは非常に強いしね。面白いでしょうね」

 -野手では。

 「大山も当然、期待している一人。去年は阪神を勝たせなければいけない立場になった。そういう意味でも今年、どういうプレーをするのかというところは見たい。それと近本。非常に素晴らしい選手。(プレミア12の候補として)名前も挙がった」

 -近本の魅力をどう捉えているか。

 「足も打撃もしぶとさ、いやらしさというのはある。1、2番、そして9番に置いた時に、ジャパンとしてどういう機能をするかというところも考えている。調子も含めて、今年はどういう活躍をしてくれるのかというところになる」

 -阪神勢以外での注目選手は。

 「千賀と菅野あたりは日本を代表する投手で、経験がある。若い投手にとっては話ができる、話をすることで自分の成長につなげられる。菅野、千賀は誰もが憧れる投手だし、後輩にいろいろ伝えていく役割もしてほしいと思っている」

 -基本は先発だと思うが、リリーフ起用も考えているか。

 「菅野は先発でしょうね。千賀は後ろの経験もあるし、その時にどういう投球をするのかという話も建山コーチとしている。最初は先発でと考えるけど、例えば決勝まで行った時に総力戦になるという意味では、1イニング投げてもらえたらどうなのかということは考えていくでしょうね」

 -プレミア12では鈴木が4番としてブレークした。五輪でも4番が基本線か。

 「4番があそこまで活躍したジャパンの大会はこれまでないと思うし、もちろん4番を打ってほしい思いはある。だけど、他の選手も狙ってほしい。自分はいいやではなく、五輪で4番を打ちたいという選手が出てくると誠也(鈴木)も…。まあ、誠也も4番を打ちたいのかは分からないけど(笑)。いい刺激にね」

 -五輪まで7カ月。稲葉監督にとっての集大成にもなる。

 「監督に就任するにあたって、(4位だった)北京の借り、五輪の借りは五輪で返すというチャンスをいただいた。そこの思いはこれまでも忘れたことはない。これから五輪に向かって、より強い気持ちになっていく。挑戦する気持ちというものを忘れないで世界一を、金メダルをしっかり獲りにいく」

 ◆稲葉 篤紀(いなば・あつのり)1972年8月3日生まれ、47歳。愛知県出身。現役時代は左投げ左打ちの内外野手。中京(現中京大中京)から法大を経て、94年度ドラフト3位でヤクルト入団。2005年にFAで日本ハムに移籍し、07年首位打者・最多安打。ベストナイン5回、ゴールデングラブ賞5回。06年日本シリーズMVP。08年北京五輪、09・13年WBC日本代表。17年WBC日本代表打撃コーチを務め、同年7月に日本代表監督就任。19年プレミア12では世界一に導いた。20年の野球殿堂入り候補にノミネートされている。

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