【中田良弘氏の目】流れを完全に呼び込んだ周東の足
「日本シリーズ・第2戦、ソフトバンク6-3巨人」(20日、ヤフオクドーム)
ソフトバンクが巨人に快勝。連勝発進を決め、日本シリーズでの本拠地連勝を14まで伸ばした。CSファーストS第2戦からの8連勝は、同一年のポストシーズン新記録だ。
◇ ◇
ソフトバンクが七回に敵失で無死一塁。ここで工藤監督が周東を代走に送った。周東は前日、二塁走者として、内川の投手前への強いバントで悠々と三塁を陥れた。この強烈なスピードが巨人にイメージとして残っていたはずだ。
次打者・グラシアルの打席で、大竹は周東の足を気にしすぎて3-1とカウントを悪くした。さらに、工藤監督がたたみかける。普通ならフルカウントまで仕掛けを待つが、ソフトバンクは走者をためたくない大竹の心理を読み切り、ここでエンドランを仕掛けグラシアルの左前打を呼んだ。
無死一、三塁。1点勝負の展開で、巨人は前進守備をあきらめ、併殺シフトを選択した。それほど、周東の足が巨人に脅威を与え、流れを完全に呼び込んだ。
試合を作ったのが、高橋礼だ。とにかく自分の間合いでテンポよく投げる。しかも直球と同じ腕の振りで遅い球を内外角に投げ分ける。あの阿部が待ちきれず、2打席連続空振り三振したほど緩急の使い方が抜群だった。