楽天、浅村2発で王手 苦手ソフト意識せず3安打3打点大暴れ
「パCSファーストS・第1戦、ソフトバンク3-5楽天」(5日、ヤフオクドーム)
両軍で計6本塁打が飛び交う空中戦を楽天が制した。浅村栄斗内野手(28)が2本塁打を含む3安打3打点の大暴れ。3-3の七回には茂木栄五郎内野手(25)が決勝ソロを放った。6日の第2戦も楽天が勝てば、2年ぶりのファイナルS進出が決まる。
悔しさにまみれた新天地での1年目-。それを振り払うかのように、大一番で浅村のバットが快音を響かせた。初回2死。千賀の甘く入ったフォークを捉え、右中間席へ先制のソロを叩き込んだ。
「自分自身にもチームにも良い形で先制できたので、だいぶ落ち着けた」
一度は逆転を許すが、1点を追う五回2死では154キロの内角直球を左翼席へ運ぶ同点弾。「1本目があったから打てた。気持ちが楽になれたので」という技ありの一撃だ。
主砲としての期待を受け、昨オフに西武からFA移籍。だが、夏場以降は右膝を痛め、思うような打撃ができなかった。打率・263、33本塁打。92打点の数字も「もっとやれると思ってスタートした1年。悔しさの方が大きい」とV逸の責任を一身に背負った。
だからこそ、CSに懸ける思いは強い。「自分の成績はどうでもいい。勝利だけを求めてやっていく」。1点リードとなった九回2死三塁では、二塁への内野安打で貴重な追加点。まさに、浅村の執念が生んだ1点だ。
今季ソフトバンク戦は打率・163、1本塁打と苦手にしたが「全然意識はしていない」と3安打3打点の大活躍。「初戦は大事。その中でエースを打ち崩せたのは良かった」。パのファーストSでは初戦勝利のチームが勝ち上がる確率が87%。主砲の一打は大きな流れを作った。