「セＣＳファーストＳ・第１戦、ＤｅＮＡ７－８阪神」（５日、横浜スタジアム）

　スタジアムを歓喜させた技ありの一発は空砲に終わった。右手小指の打撲を完治させ、「３番・左翼」でスタメン復帰したＤｅＮＡ・筒香は３ランを含む２安打４打点。だがチームは６点差をひっくり返されての逆転負けを喫し、土俵際に追い込まれた。

　初回、無死一、二塁の場面。西の低めに落ちる変化球に反応した。下半身を沈み込ませながら球をすくい、右翼席中段まで持っていった。ＣＳでの本塁打は２年ぶり５本目。大舞台での勝負強さを発揮した。

　五回には今季５打数無安打に封じられていた島本から右前適時打を放つなど主砲の働きをみせたが、勝利に結びつかなかった。「終わってしまったことは変えられない。選手は明日に向けて準備するだけ」。悔しさを表に出すことなく、明るい表情で前向きな言葉を並べた。

　「野球は何が起こるか分からない。何とか明日勝ってあさって試合ができるように」と主将。強い気持ちで逆境をはね返す。