「楽天４－２ソフトバンク」（２４日、楽天生命パーク宮城）

　あと２試合を残して、リーグＶ奪回の夢はついえた。３点を追う最終回。２点差まで迫ると、ソフトバンク・工藤監督は執念のタクトを振った。すでにベンチに捕手がいない中、高谷の打席で代打明石を起用。究極の采配に、明石は中前打で応えた。２死満塁。一打同点、長打なら逆転の状況をつくったが、牧原の打球は力ない中飛となった。

　敗戦から２８分後、西武がロッテに勝利。２年連続Ｖ逸が決まった。工藤監督は「悔しいですけど…、勝たせてあげたかった」。選手らの奮闘をたたえ、自らを責めた。

　リーグＶ奪回を果たした上での３年連続日本一を目指した今季だが、サファテ、柳田ら投手、野手に不調や故障が相次いだ。

　一方で新人の甲斐野がセットアッパーとしてフル回転。高橋礼、周東らが躍動した。工藤監督も「若手が台頭し、満身創痍（そうい）での全力プレーなど選手は精いっぱいやってくれた」と話した。

　「日本一を目指して、最後の最後まで戦いたい」。２年連続の屈辱を味わったが、３年連続日本一の可能性があるかぎり、指揮官はファイティングポーズを崩さない。