智弁和歌山1イニング最多タイ3発 11年ぶりまたミラクル!甲子園での明徳戦初星

 「全国高校野球選手権・2回戦、智弁和歌山7-1明徳義塾」(13日、甲子園球場)

 2回戦4試合が行われ、智弁和歌山は七回に大会タイ記録となる1イニング3本塁打などで一挙7点を奪って逆転し、8年ぶりに3回戦進出を決めた。今秋ドラフト1位候補の星稜(石川)・奥川恭伸投手(3年)は3番手で登板し、自己最速の154キロをマークするなど2回1/3を2安打無失点で勝利に貢献。敦賀気比(福井)の杉田翔太郎内野手(3年)は大会史上6人目のサイクル安打を達成。履正社(大阪)は自慢の打線が威力を発揮し、津田学園(三重)に快勝した。

 青く澄んだ甲子園の空に白球が舞い上がった。浜風とは反対の左翼から右翼方向へ吹く風にも乗ってグングン伸びる。智弁和歌山が3本塁打などで一挙7点。1イニング最多本塁打の大会タイ記録に並ぶ攻撃力を見せつけ3回戦進出を決めた。

 甲子園での明徳義塾戦はこれまで春夏通じ2戦2敗だったが、三度目の正直で初勝利。「ほとんどが風の影響だとは思うんですが、気持ちがあそこまで運んでくれたのかなと思います」。中谷仁監督(40)は選手の闘志に目尻を下げた。

 アーチ競演の幕が開けたのは0-1の七回だ。同点に追い付き、なおも1死一、二塁で細川凌平外野手(2年)が右中間席へ勝ち越しの3ラン。さらに2死一塁で根来塁外野手(3年)が右越え2ランを放つと、続く東妻純平捕手(3年)が中堅右へ2者連続で放り込んだ。1イニング3発は、先輩が08年に達成して以来11年ぶり2度目の快挙だった。

 主将の黒川史陽内野手(3年)が導火線に火を付けた。3本塁打が出る直前の1死一、三塁で、8球目を捉えた打球は遊撃手の手前でイレギュラーし、同点の適時内野安打に。「打球が跳ねたのを見て野球の神様がいると思った」と細川。続けて「キャプテンが泥くさくやっていた。絶対に走者をかえしてやろうと思った」。食らいつく姿勢に大きな勇気をもらったことが、決勝の一発につながった。

 細川は黒川とともに下宿生活を過ごしている。アパートの空きスペースで夜に行う素振りでは、後輩へのアドバイスを惜しまないという黒川。細川は「一緒に行動させてもらっています。尊敬するし、師匠のような人」と信頼を寄せ、グラウンドを離れても面倒見が良い先輩の背中を追い続けている。

 次戦は春夏通じて甲子園で初めて星稜と対する。日本一を目指すチームの前に今大会ナンバーワン右腕の奥川が立ちふさがるが「(部員)36人全員でぶつかっていくだけ。何とか良い試合ができるように準備したい」と表情を引き締めた中谷監督。自慢の豪打で難敵を突破する。

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