明徳義塾・馬淵監督、悪夢 遊ゴロ併殺のはずがイレギュラー…七回大暗転7失点

 「全国高校野球選手権・2回戦、智弁和歌山7-1明徳義塾」(13日、甲子園球場)

 2回戦4試合が行われ、明徳義塾(高知)は智弁和歌山に敗れた。七回の守備で併殺と思われた遊撃へのゴロが不運にもイレギュラーして同点タイムリーに。直後に大会最多タイの1イニング3本塁打を浴びて逆転負けした。

 明徳義塾が不運に泣いた。馬淵史郎監督(63)が、大粒の汗を拭いながら嘆く。

 「ゲッツーと思ったらイレギュラー。ここ一番で出るのが、甲子園です」

 “魔物”がいたのか。1-0の七回1死一、三塁。相手1番・黒川が放った痛烈な打球が遊撃・米崎薫暉内野手(1年)の正面へ飛んだ。併殺で3アウト-。誰もがそう思った瞬間、米崎の前でボールが大きく跳ね上がった。グラブをはじいた球は後方へ転がり同点タイムリーに。試合の流れが急転した。

 無失点の好投を続けてきた先発の左腕・新地智也投手(2年)は「打ち取ったと思ったら…。気持ちに余裕がなくなってしまった」と振り返る。自慢の制球力に狂いが生じた。続く2番・細川に右中間へ勝ち越し3ランを浴びると、5番・根来に右越え2ラン、さらに6番・東妻にも中堅右へソロを被弾した。大会最多タイの1イニング3本塁打。悪夢のような7失点だった。

 智弁和歌山とは春夏の甲子園で過去2度対戦して2勝0敗。馬淵監督はミーティングで「オレは智弁に負けたことがない」とナインを鼓舞した。今年のチームにはプロが注目するような絶対的エースもスラッガーもいない。それでも伝統の堅守を武器に、チーム一丸の隙のない野球で強敵と互角に渡り合った。

 「このチームは練習試合で15敗もした。監督になって一番弱いチーム。でも、力を合わせればここまでやれる。高校野球の見本になるチームでした」

 馬淵監督はナインに称賛の言葉を贈ったあと、「見とってください。勝負はこれからです」と雪辱を誓って聖地をあとにした。

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