宇部鴻城・岡田 史上初の「1番・投手」弾!7年ぶりの初戦突破

 「全国高校野球選手権・2回戦、宇部鴻城7-3宇和島東」(12日、甲子園球場)

 2回戦4試合が行われ、宇部鴻城(山口)が7年ぶりに初戦を突破した。先発した岡田佑斗外野手(3年)が「1番・投手」としては史上初めて本塁打を放ち、投げても3失点で完投した。八戸学院光星(青森)は春夏通算30勝目。六回に6点差を逆転されたが、八回に追い付き、途中出場の沢波大和外野手(3年)が九回に決勝打を放って壮絶な打撃戦を制した。海星(長崎)は聖光学院(福島)を振り切り、高岡商(富山)は神村学園(鹿児島)に競り勝った。

 背番号8が投打で輝いた。宇部鴻城・岡田は尾崎公彦監督(49)から度胸を買われて初戦のマウンドへ。「腕を振って強いボールを」と初回の3者連続三振で波に乗った。「球速以上に伸びていたかな」とテンポよく直球主体で勝負。13安打を浴びながら、9回3失点12奪三振に封じた。

 リードオフマンを務めるバットでは、投手も担うからこその読みがはまった。四回1死一塁での第3打席。2ボールとなり、「ピッチャーの気持ちを考えて四球を出すのが痛い」と甘い球を待った。狙い通りの真ん中直球を振り抜き、右翼席へ豪快な一発。スタンドからの大歓声にも表情を崩さず、クールにダイヤモンドを一周した。

 夏の甲子園史上初めて「1番・投手」で本塁打を放ち、さらに完投星。“二刀流”にふさわしい結果は、マウンドを離れていた約半年がなければあり得なかった。

 投手として入学しながら、昨冬に腰痛で1カ月ほどノースロー。野手に専念したことで春は打撃好調だった。指揮官からの投手復帰の打診にも「バッティングに集中してチームに貢献しようかな」と断った。しかし練習試合で中堅から投手陣の姿を眺めているうちに、気持ちに変化が生まれた。頭に浮かぶのは“自分ならどう配球するか”。最後の夏。後悔しないため5月に復帰を直訴した。

 再び投げ始めると、ケガの期間に体幹を鍛えたことで球速が140キロに到達した。中堅からの遠投も伸びとキレにつながった。大舞台で生まれ変わった姿を存分に発揮。「もっと磨きをかけて次に向けてしっかりと準備したい」。勝利のために力の限りを尽くす。

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