星稜、悲願初Vへ令和初完封発進 ドラ1候補・奥川いきなり153キロ!94球完封劇

 「全国高校野球選手権・1回戦、星稜1-0旭川大高」(7日、甲子園球場)

 1回戦4試合が行われ、今秋ドラフト1位候補の星稜(石川)・奥川恭伸投手(3年)は153キロをマークし、94球の省エネ投球で令和初完封を飾った。履正社(大阪)はドラフト候補の井上広大外野手(3年)のソロや、桃谷惟吹外野手(3年)の2発など大会タイの1試合5本塁打を記録し快勝。津田学園(三重)のプロ注目右腕・前佑囲斗投手(3年)は11三振を奪い、1失点完投。立命館宇治(京都)の高木要投手(3年)は完封でチームに甲子園初勝利をもたらした。

 あどけない笑顔のヒーローが、高校生離れした冷静さで試合を作り上げる。「うちのスローガンにある『必笑』で笑ってやれるようにと」。最少のリードを守り切るミッションを、奥川は白い歯を見せながら難なくこなした。「令和初完封」は必然と言っていい。

 「立ち上がりが一番大事なのでギアを上げて。初回のピッチングは、今日の9イニングで一番良かった。(9回投げるのは)頭に入れてました」

 94球の完封劇。幕開けに思いが込められた。先頭を自己最速タイの153キロで空振り三振。球場がどよめく。「球場の雰囲気を変えることも大切なので」。初回を3者連続三振で終えて甲子園を支配した。中盤は「9回投げないといけないので力を蓄えて。手を抜いたわけではなくて」と巧みに変化球を交えた。計算通りに遂行されたゼロ行進だった。

 「すごくいい緊張感で過度な緊張はなかったです」と奥川。前日まで3日連続でブルペン入り。試行錯誤した中で結果を示すところがさすが。昨夏は済美戦で足がけいれんして降板し、試合も敗戦。だからこそ余計に体調管理に気を配った。

 この日はベンチに戻れば氷のうで常に首元を冷やし、水分も積極的に摂取。「去年がやらなすぎたので」。細かさはグラウンドを離れても変わらない。酷暑の中での練習の合間、間食でおにぎりを食べるが「傷んだり腐ったりしたら嫌なので」と、わざわざ自分用の保冷バッグを持ち歩いて保管。わずかなリスクも削り、細部にまで準備にこだわった。

 「反省すべきところが多かったです。(点数は)ベストが100としたらまだまだなので半分ぐらいかなと」

 余力を残した圧巻のスタート。まだまだこれから。新時代の主役の志は限りなく高い。

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