巨人一筋・原監督 指揮官通算1000勝!川上哲治、長嶋茂雄に次ぎ球団3人目
「巨人8-5広島」(30日、東京ドーム)
スタンドから降り注ぐ大歓声に両手を挙げて応えた。9連勝で乗り込んできた赤ヘルを返り討ちにし、巨人・原辰徳監督が史上13人目の監督通算1000勝を達成した。「もう申し訳ないですね」と恐縮しながらお立ち台に上がり、記念ボードを掲げた指揮官。マイクを向けられ、声を張った。
「ファンの皆さま、選手の皆さん、スタッフの皆さんのおかげで今日まで来られたと。感謝申し上げます。どうもありがとうございました!」
2002年。開幕3連敗からスタートした。「1つ勝つ大変さというのを最初にたたき込まれたというのが、今日まで来させていただいたというのはありますね」。順風満帆な船出でなかったからこそ、1勝の重みをかみしめながら、勝ち星を積み上げてきた。
3たび、ユニホームを着て臨むシーズン。「自分のキャリアを盾にして進んでいこうとすると、今の世代にはマイナス」と上から見るのではなく、選手目線を心がけた。前政権から主力を担った阿部、坂本勇らに、若林ら山本ら“新戦力”を融合させ、試合を重ねるごとに完成形へと近づけている。
この試合も、終盤に追い上げられ、勝つことの大変さを思わせる展開となった。「1000勝を迎えて、まだ脇の甘さがあるチームであると、まだ伸びしろがあるチームであるというふうに改めて思いますね」。記念の1勝を飾っても、胸に去来するのは「明日、どうやって勝つか」。心底から歓喜に酔う瞬間まで、その思いは尽きない。