福知山成美が乙訓にリベンジ 神内がサヨナラ打 右肘手術、左目陥没骨折乗り越え…
「高校野球京都大会・4回戦、福知山成美2-1乙訓」(18日、わかさスタジアム)
福知山成美が劇的なサヨナラ勝ちで、8強進出を決めた。延長十回1死二塁から、神内秦外野手(3年)が初球を右中間に運ぶサヨナラ打を放って決着。昨年春、そして今年の春と府大会で乙訓に敗れていた中、3度目の正直となるリベンジを果たした。
「2回負けていたので、3回は負けられないなと」と井本自宣監督(45)。チャンスを作りながらも乙訓の2年生エース・林翔大投手(2年)を攻略しきれなかった中、最後は「神内はチャンスに強いので期待してました」と、孝行息子を称えた。
今年のセンバツでは1回戦の筑陽学園戦で敗れながらも、神内は2安打2打点1盗塁と結果を残した。足が自慢で、センバツ後にはチームとして、連日の7キロの郊外ランニングや坂道ダッシュなどで体力強化に励んだ中、自身の50メートル走のタイムも0・1秒速くなって今は5秒8。「整体とかに行ってケアもしてます」と話すように、この日はサヨナラ打以外にも2本の内野安打を記録するなど、自慢の武器にさらに磨きがかかっている。
この夏にかける神内の思いは強い。福知山成美に入学して1年の8月に右肘の手術を行った。さらに約半年後には、練習中の打球が左目付近に当たって陥没骨折。視力が、右目2・0に対して左目が1・0に落ちた。そういった苦難をはねのけてここまできた、不屈の男だ。
「センバツに出て、1勝というのがしたかったですけど、センバツでできなかったことを改善してやってきているので、夏の甲子園に絶対に出て、井本先生と1回でも2回でも校歌を歌えるようにがんばりたい」と神内。投げてはエースの小橋翔大投手(3年)が「(乙訓に)3回は負けられなかったので」と10回6安打1失点の完投。6年ぶりの夏の甲子園出場へ、一丸ムードが高まってきた。