早実・清宮福太郎 日ハム兄・幸太郎から「暴れて来い」同じ背番号でマルチ2打点
「高校野球西東京大会・3回戦、早実6-0小平西」(17日、ダイワハウススタジアム八王子)
西東京大会では早実が小平西との3回戦に臨み、日本ハム・清宮幸太郎内野手(20)の弟で早実の清宮福太郎内野手(1年)が「6番・左翼」で公式戦初出場。四回に先制の2点適時打を放つなど、4打数2安打2打点と華々しいデビューで勝利に貢献した。この日、52歳の誕生日を迎えた日本ラグビー協会副会長の父・克幸氏を、バットで祝福した。
高校通算111本塁打を放ち“怪物”と言われた兄に負けない鮮烈なデビューだった。公式戦初出場で先制の2点タイムリーをはじめマルチ安打で勝利に貢献した。
前日の雨天中止で“水入り”となった小平西戦に「6番・左翼」で先発出場。兄の早実1年春の大会時と同じ背番号19を背負うルーキーは、初公式戦にも落ち着き払っていた。
「緊張はしたけれど、そこまで気になる緊張ではなかった」。二回の第1打席は小平西の先発・林田に打ち取られたが、四回1死二、三塁の第2打席で1ボールからの2球目、外角高めの真っすぐを逆らわず右翼線にはじき返すと、一塁ベース上で手をたたき、初安打&初打点を喜んだ。
大会前に兄から「暴れて来いよ」とハッパをかけられた。「みんなが(打ち)上げていたので、逆方向に打とうかなと思っていきました。来たコースを素直に打てたと思う」と幸先よいスタートに自然と声も弾んだ。
この日は、父・克幸さんの52歳の誕生日でもあった。「打てて良かったです」と多くを語ることはなかったが、ここまで育ててくれた感謝の気持ちをバットに込め、結果につなげた。
2死から盗塁も成功させると、次打者の右翼線への適時打でチーム3点目のホームイン。「(盗塁は)たまたま感はあったけど、ノーマークだと思うので、行けるときがあれば狙いたい」と積極性も忘れなかった。
六回の第3打席では、1死一塁から左中間への二塁打も放ち、複数安打。大きな期待を背負う180センチ、92キロの大物ルーキーは「夏の大会の最中なので、目の前の試合を集中して戦って、それが積み重なって高校生活が終われればいいと思う」と謙虚な姿勢で高校野球の第一歩を踏み出した。