ノムさん 名言誕生の背景に阪神への反骨心「僕はパ出身ですから」
ヤクルト、阪神、楽天などで監督を歴任した野球評論家の野村克也氏が15日、ABCラジオ「道上洋三の健康道場」(土曜、午前7・00)にゲスト出演した。「負けに不思議の負けなし。勝ちに不思議の勝ちあり」など、数々の名言を生み出した原点には阪神への反骨心があったことを明かした。
野村氏が南海(現ソフトバンク)での現役時代は「人気のセ、実力のパ」と言われ続けていた。「大阪で新聞を見ると、阪神(の報道)ばかりで腹が立った。これは何とかせないかんなと」との思いが出発点だった。
南海ではプレーイングマネジャーとしても大活躍したが「マスコミの人が喜ぶようなことを言わないといけないという思いがあった。試合をやっている七回ぐらいから、きょうは何を言おうかと考えていた」という。
後のヤクルト、阪神、楽天での監督時代も、そのスタンスは変わらなかった。「監督兼広報だと思っているから。(プロ野球は)人気商売ですから、広報担当がやらないといけない。ましてや僕はパ・リーグの出身ですから」と振り返った。
野村氏の監督会見での“ぼやき”は名物だった。ヤンキース・田中将大の楽天での新人時代、降板後に味方打線が奮起して田中の黒星が消える試合が続いた。そのときに誕生したのが「マー君、神の子、不思議な子」だ。道上アナからは「あれはいいコピーですよ」と絶賛されていた。