オリックス「信は力なり」九回1死からの逆転で西村監督通算200勝
「ソフトバンク2-3オリックス」(24日、ヤフオクドーム)
1点を追う九回。先頭の宮崎が死球で出塁すると西村徳文監督は迷わず代走・佐野を送った。続く小島の2球目に二盗を決めると遊ゴロで三進。
この好機にドラフト7位・中川(東洋大)が粘って森の10球目をたたき一塁線を破る三塁打。この好走塁が相手に前進守備を余儀なくさせ、この絶好機に伏見が一、二塁間を破る適時打で決勝点を奪った。
これでチームは3連敗でストップ。西村監督にとっては監督通算200勝となった。
初スタメンに抜てきした中川について「あの場面でよく打ってくれた。最高の結果を出してくれました」と称賛した。
監督就任以来、足を使った野球を掲げてきた。九回の土壇場で代走に二盗。これこそが目指す野球だ。
「佐野はよく走りました」
帽子のひさしには「信は力なり」の文字が刻まれている。伏見工業ラグビー部の総監督を務めた山口良治さんからもらった言葉だ。
ロッテのヘッドコーチ時代に知人を通じて知り、その言葉に感銘を受け、座右の銘とした。その意味はこうだ。「選手を信じて待つ。監督業というのは我慢だから。選手がやってくれると信じて待つのが仕事」
昨季までの主力であった金子、西、中島、小谷野が抜けた。若手中心のチーム。考えられないミスも出る。それでも選手を責めることはしなかった。
「失敗を次に生かしてくれたらいい。結果は使ったこちらの責任ですから」
チームは5位に沈む。まだ、才能開花にまでは至っていない。だが、指揮官はブレることはない。きっと大きく育ってくれると信じてそのときを待つ。