楽天・釜田 655日ぶり勝利に涙「あきらめずにやってきて良かった」
「楽天7-3オリックス」(21日、楽天生命パーク宮城)
万感の思いが胸に去来する。「本当にあきらめずにやってきて良かった。たくさんの方の支えがあったので、勝ちという形で表現したかった」。17年7月5日のロッテ戦以来、655日ぶりの勝利に楽天・釜田の目が潤んだ。
昨年6月に右肩と右肘を手術。長いリハビリを経ての今季初の1軍復帰マウンドだ。「いざマウンドに上がったら緊張した」と話したが、初回を三者凡退の立ち上がりを見せると、2点リードの三回1死二、三塁から小島と強打者の吉田正を抑えて危機を脱した。
「2軍で石井投手コーチから『144、5キロでもやれる。“大人の投球”をすればいい』と言われ、それを目指してやってきた」。
この日の最速は148キロ。自己最速154キロを誇った剛腕の面影はない。それでもツーシームなど動く球を効果的に織り交ぜた“大人の投球”で、5回1/3を3失点。マウンドを降りる背番号「21」に大歓声が降り注いだ。
スタンドでは昨年12月に結婚した1歳上の夫人が勇姿を見守った。「一番に感謝を伝えたい」とウイニングボールは自身を支えてくれた最愛の人に贈る。登板間隔を空けるため、22日に登録抹消の予定。それでも「心強い一人が帰ってきてくれた」と平石監督。首位を走るチームに、また大きな戦力が加わった。