ヤクルト・村上 今季10打点目!4号3ラン自身初の2戦連発
「ヤクルト9-5阪神」(16日、坊っちゃんスタジアム)
鍛錬の日々は確かに血となり肉となっていた。松山の夜空に高々と舞い上がった打球が、そのまま右翼席に飛び込む。ヤクルト・村上が自身初の2戦連発となる勝ち越し弾。歯を食いしばって己を磨いた地で、見事な成長を示した。
2点を追う初回に同点に追いつきなお2死一、三塁で、ガルシアの内角直球を捉えた。「今までチャンスで打てず、チームに迷惑をかけている。勝ったことが一番大きい」。決勝点となった4号3ランに、晴れやかな表情が浮かんだ。
昨年11月、プロで初めての秋季キャンプ。松山で野球漬けの3週間を過ごした。海の幸など豊かな食材にも恵まれた土地だが「キツかったので…」と頭によみがえるのは、美食の記憶ではなく猛練習のこと。この日も若手の早出練習では、キャンプさながら3カ所のフリー打撃、4カ所のティー打撃などをみっちりと約1時間。5カ月前はロングティーを数え切れないほど放り込んだスタンドに、本物のアーチを運んだ。
この一発で今季10打点目。小川監督も「勝負強さというか、非常に大きいホームランだった」と称賛した。七回にも右翼線への二塁打を放ち、打率も開幕から初めて2割を超えた。5連敗中だった松山での阪神戦は03年5月以来16年ぶりの勝利。首位の原動力である強力打線に、19歳の大砲が欠かせない存在となってきた。