習志野・根本、夏こそ有終フィナーレだ ケガを乗り越え奮闘2安打
「選抜高校野球・決勝、東邦6-0習志野」(3日、甲子園球場)
一塁に頭から滑り込んだまま、悔しさをかみしめた。九回2死、習志野(千葉)根本翔吾外野手(3年)は三ゴロに必死で走ったが、アウトとなり試合終了。「竹縄につなぎたかった」。続く打者はともにWキャプテンを担う竹縄俊希外野手(3年)。頼れる相棒に打席を回すことはできなかった。
昨秋の関東大会から2人で力を合わせてきた。2年のときはクラスが違っても一緒にお昼ごはんを食べる仲。自分にはない冷静さを持つ竹縄には、「お世話になっています」と感謝しきりだ。性格が真逆だからこそ、互いに補い合ってチームをうまくまとめられた。
星稜(石川)との2回戦で死球を受け、途中交代して病院へ向かった。ケガらしいケガも初めてのこと。動けるまで1週間程度との診断にショックを隠しきれなかった。救ってくれたのはミーティングでの竹縄の言葉。「根本を甲子園でプレーさせたい」。熱い思いに応えようと治療に専念した。
欠場した準々決勝もチームが突破すると、自分でも驚くほどの回復で準決勝から再び聖地に立った。決勝では2安打しながら、最高のフィナーレには及ばず。「チームが勝てないと意味がない。全然ダメでした」。最高の相棒とタッグを組み続け、夏こそは笑顔で締めくくる。