東邦、単独最多5度目V 平成最初と最後締めた!石川2発&完封「オレのためだな」

 「選抜高校野球・決勝、東邦6-0習志野」(3日、甲子園球場)

 東邦(愛知)が習志野(千葉)を6-0で下し、30年ぶりで単独最多となる5度目の優勝を果たした。平成最初の前回89年の優勝に続き、平成最後の大会を制した原動力は、エースで3番を打つ石川昂弥投手(3年)の存在だ。史上初となる2本塁打&完封勝利を挙げる活躍を決勝でやってのけた。歴史的な一戦で偉業を達成し、新たなスター誕生の一日となった。習志野は千葉県勢初の春制覇を逃した。

 立ち続けた歴史的なマウンドに、歓喜の輪が広がる。中心には石川がいた。「優勝して監督に最高の誕生日プレゼントをあげたかったので」。センバツ決勝での、個人の2本塁打と完封勝利は史上初。平成最後の一戦に偉業を重ね、4日に迎える森田監督の還暦に、花を添えた。

 「(監督に)『お前が(1人で)打って、投げて、やれと言われました。1打席目のホームランの後です」

 初回、バックスクリーン右への先制2ラン後にゲキを飛ばされた。期待は裏切れない。五回に右中間への2ランを放ち、投げては97球で二塁も踏ませなかった完封劇。東邦OBで平成最初の優勝メンバーの父・尋貴さんがスタンドで見つめる中、有終Vで応えた。「両親が東邦だったのもありますけど」。運命でもあった東邦への入学。最後の決め手は森田監督の存在だった。

 「(進学を決める前に)東邦のグラウンドに行った時に、森田監督としゃべって、この人だなと思いました」

 野球への情熱や人柄に感じるものがあった。下宿先は森田監督と同じマンション。食事でも世話になる毎日だ。昨年11月から監督が病気の治療で不在となった時も「監督が帰ってきた時に成長した姿を見せようと思った」と野球に打ち込んだ。指揮官に寄せる思いがこの日につながった。

 平成のセンバツで、背番号「1」の主将が優勝したのも初めてのこと。「それも誰かが言ってて、ふざけてですけど『オレのためだな』って話してました(笑)」。冗談交じりの予言を、実行して見せた。石川の大会と言っても過言ではない。

 「優勝できたこともみんな自信になると思いますし、また夏に向けてやっていきたい」。次の夏は「令和」で最初の戦い。平成の甲子園を締めくくった石川にとって、新伝説の幕開けにふさわしい舞台となる。まだこれだけでは終わらない。

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