V候補の広陵が12失点大敗 エース河野は三回途中KO

 「選抜高校野球・2回戦、東邦12-2広陵」(30日、甲子園球場)

 優勝候補の一角に挙げられていた広陵(広島)がまさかの大敗を喫した。

 1回戦の八戸学院光星(青森)戦で3安打完封勝利を挙げたエースの河野佳投手(3年)が大乱調。2回1/3を6安打6失点でKOされた。強打の東邦打線に対して「丁寧にコーナーを突く投球をしたかったが、ボールが定まらず全部甘い球になってしまった」と初回に2失点。三回にはエースで3番の石川昂弥投手(3年)に左翼席へ一発を浴びた。

 1回戦で自己最速の150キロを計測した直球も、この日は142キロ止まり。「疲れはなかった」と言いながらも「腕をしっかり振れなくてスピードが出なかった」。相手の足攻めにも揺さぶられ、「切り替えができずにズルズルいった。気持ちで負けていた。悔しいです」と唇をかんだ。

 4投手を送り出して16安打12失点と一方的な展開に、中井哲之監督(56)は「甘い球をことごとく打たれて足も使われた。ウチがやりたい野球をやられてしまった。これが実力だと思います」と厳しい表情で話した。

 主将の秋山功太郎捕手(3年)も「いいところは一つもなかった」と振り返り、「甲子園に出られるのは当たり前じゃない。大きな舞台で勝ち続けていくことも当たり前じゃない。そのことをしっかりと感じて、また夏に戻ってきたい」と、大敗を糧に一から出直すことを口にした。

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