「日本ハム紅白戦、紅組１－５白組」（１６日、かいぎんスタジアム国頭）

　日本ハムのドラフト１位・吉田輝星投手（１８）＝金足農＝が、かいぎんスタジアム国頭で行われた１、２軍合同の紅白戦で白組先発を務め、１回１安打１失点の“ホロ苦デビュー”となった。最速は１４６キロを計測も、大田にバックスクリーンへ被弾。一方、紅組先発の同５位・柿木蓮投手（１８）＝大阪桐蔭＝は１回無安打無失点。昨夏甲子園決勝対決はまたもや柿木に“軍配”が上がった。

　甘く入った１４４キロ直球を完璧に捉えられ、打球はバックスクリーンへと一直線。マウンド上の吉田輝は帽子を取り、右腕で額の汗を拭った。先頭の西川は二ゴロに仕留めたが、続く大田に痛恨の一撃を被弾。これがプロの洗礼だ。それでも「想像通り楽しかった」と笑顔で前を向いた。

　続く清宮との対決は１球勝負だった。「気持ちを強く持っていかないと」。初球の真っすぐで詰まらせ、二ゴロに斬った。横尾、渡辺と連続四球でピンチを背負うと、鶴岡に対する２球目に暴投。二、三塁と暗雲がたちこめたが、カウント２－２から１４５キロ直球で空振り三振。「すごく良かった」というベストボールで初実戦を終えた。

　「持ち味の直球で押していけた。思ったよりも通用した」と収穫を口にする一方、「変化球はストライクが入らなかった」と次戦への課題も忘れない。栗山監督は「チームに力を与えてくれそう」と期待感を膨らませた。

　紅組の先発を務めたドラフト５位・柿木は、１回無安打無失点。昨夏の甲子園決勝と同じくライバルに軍配が上がったが、吉田輝は意に介さない。「１球１球すごく応援してもらってうれしかった」。結果以上にプロとして投げる喜びを感じ、また成長を誓った１日だった。