「日米野球、ＭＬＢオールスター３－５侍ジャパン」（１３日、マツダスタジアム）

　庭のマツダで躍動した。侍の逆転劇を演出したのは“タナキク”だった。

　九回。２－３と迫ってなおも１死二塁。「いい流れで打席が回ってた」と田中広がしぶとく中前に運んで同点とした。さらに１死一、三塁。菊池が１ボールから一塁前にセーフティースクイズを決め、勝ち越しに成功した。

　打席に入る前に稲葉監督に「どうですか」と自ら提案したアイデアが採用され、功を奏した。「（スクイズの）打球が強かったですけど。みんなでつないでくれた」と満足そうに振り返った。

　懐かしい投手と対戦した。ＭＬＢ選抜の先発は前田だった。初回に対戦して右飛に仕留められた。「懐かしいなという思いでした。打たせろよ、という思い」と苦笑いを浮かべつつ、充実感を漂わせた。

　慣れ親しんだ本拠地で躍動できたことは感慨深かった。菊池は「寒かったですけど、声援のおかげで熱くできました」と広島のファンに感謝した。