金足農の剛腕吉田、涙止まらず アルプス席からは大拍手 881球輝き続けた

大阪桐蔭に敗れ、涙する金足農・吉田輝星(中央)=甲子園(撮影・吉澤敬太)
3枚

 「第100回全国高校野球選手権・決勝、大阪桐蔭13-2金足農」(21日、甲子園球場)

 初の決勝進出となった金足農(秋田)は剛腕エース・吉田輝星投手(3年)が、大阪桐蔭の強力打線に打ち込まれ、東北勢初の優勝にはあと一歩届かなかった。

 ベンチで試合終了を見届けると、人目をはばからず号泣した。マウンド付近に出来た大阪桐蔭の歓喜の輪を横目に、吉田は目を真っ赤にして号泣。ゲームセットの整列に加わると、大阪桐蔭ナインを泣きながら握手を交わして祝福した。

 初回から大阪桐蔭打線に捕まった。石川瑞貴内野手(3年)のタイムリーなどで3点を先取されると、四回には宮崎仁斗外野手(3年)に、147キロの直球を左翼席へと運ばれ、甲子園初被弾を喫した。さらに五回にも、根尾昂内野手(3年)に2ランを被弾し、リードを大きく広げられた。

 結局、12安打、12失点と打ち込まれ、五回を投げ終えて、マウンドを打川和輝内野手(3年)に譲った。ここまで5試合すべてで完投し、45回で58奪三振、11失点とチームを引っ張ってきた吉田にとって、初めての降板劇となった。

 秋田勢としては第1回大会の秋田中以来、103年ぶりの決勝進出は大きな期待を集めた。初回から1球ごとに観客席から、吉田の熱投に大声援がわき上がった。

 地元の応援団が待つアルプス席へと向かった吉田は、両手をひざに置いてがっくりとうなだれるように頭を下げても、涙は止まらない。ナインに肩を支えられた。アルプス席からは大きな拍手が沸き起こった。準優勝に終わっても、吉田が甲子園で投じた6試合881球、その輝きはしっかりとファンの胸に刻まれた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス