大阪桐蔭、史上初2度目の春夏連覇へ王手 名誉挽回6番石川が決勝打

 「第100回全国高校野球選手権・準決勝、大阪桐蔭5-2済美」(20日、甲子園球場)

 大阪桐蔭が4年ぶりの決勝進出を決め、史上初2度目の甲子園春夏連覇へ王手をかけた。石川瑞貴内野手(3年)が五回に決勝2点適時打。中学時代にボーイズリーグ日本代表の4番を打った強打者が、ミスを取り返す一打で試合を決めた。今秋ドラフト1位候補コンビの根尾昂内野手、藤原恭大外野手(ともに3年)を擁する最強軍団は、決勝で金足農(秋田)・吉田攻略に挑む。

 打球が芝生で跳ねると、力強く右拳を握った。石川が試合を決めた。4番・藤原、5番・根尾の後を打つ6番が、偉業達成につながる扉をこじ開けた。

 「2人の後なのでチャンスが回ってくるし、僕がキーになると思っている。絶対に打つという気持ちだった」

 同点の五回2死満塁。伝令を通して西谷浩一監督(48)から「この場面を(1人で)背負うな。思い切っていけ」と助言され打席へ。内角直球に詰まった。それでも鈍い音を残したライナーは、遊撃手のグラブの約10センチ上を通過。決勝の中前2点適時打となった。

 中学時代はボーイズリーグ日本代表の4番で通算41本塁打。高校入学前は父・義憲さんに「根尾、藤原がいる中でレギュラーを取る」と宣言した強打者が、聖地でドラ1候補に負けない輝きを放った。

 五回1死一塁での守備では、一塁で三ゴロの送球を受け、二塁を蹴った走者を刺すために三塁へ送球。「手が滑った。準備不足だった」。悪送球となり、同点となった。

 それでも直後の打席でミスを取り返した。北大阪大会準決勝・履正社戦は、1点を追う九回無死一塁で送りバントを失敗し、三飛となり併殺。九回2死から逆転勝ちしたが、主将の中川卓也内野手(3年)に肩を抱かれて号泣していた。

 甲子園出場を決めた後、義憲さんには「自分のミスをみんなが助けてくれた。甲子園で借りを返す」と約束。一度、恐怖を味わった強打者に、もうもろさはなかった。

 春夏連覇まであと1勝。大阪桐蔭は甲子園で春夏通算7度の決勝へ進出して7戦7勝だ。西谷監督は「昨年8月19日に負けて、新チームを作ったのが、昨年の今日(8月20日)だった。その時に春夏連覇をしようと話した。必ず日本一になりたい」と力を込めた。

 相手は金足農・吉田。アウェーのような雰囲気となることが予想されるが、全力で挑む。「プレッシャーを与えて攻略したい」と石川。手を掛けた栄冠は、必ずつかみ取る。

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