金足農・吉田輝星 同点弾、161球目で150キロ、14K 

 「第100回全国高校野球選手権・3回戦、金足農5-4横浜」(17日、甲子園球場)

 3回戦4試合が行われ、8強が出そろった。金足農は横浜に5対4で逆転勝ち。“みちのくのドクターK”プロ注目右腕の吉田輝星(こうせい)投手(3年)が3試合連続完投&2桁奪三振。同点本塁打も放つ投打にわたる活躍で、チームを23年ぶり8強に導いた。

 仲間の思いを乗せ、全力で腕を振った。逆転3ランの援護を受けた直後の最終回。吉田は「(リードは)1点で十分という気持ちになった。絶対に抑えてやる」とギアを入れ替えた。警戒していた4番から始まる相手の攻撃。直球の威力を最大限に上げながら、変化球を織り交ぜて立ち向かった。

 劇的な展開に4万2000人の大観衆のボルテージが最高潮となる中で、主砲・万波をスライダー、続く内海をツーシームで仕留めた。6番・角田には力勝負。「自分の力以上のものを仲間が引き出してくれた」と4球目、この日161球目に自己最速タイの150キロと聖地で大台をたたき出し、最後も146キロの直球で三者連続の空振り三振で試合を締めた。

 優勝候補の横浜を前に「自分の力だけでは抑えられない」とプライドを捨てた。序盤は力みから球が走らず。変化球を見極められ、直球を狙われた。苦境を打破したのは持ち前のマウンドさばき。投手プレートの立つ位置に変化をつけ、抑えにかかった。4失点したものの、14の三振を奪い3試合連続となる2桁奪三振。強力打線の勢いを断ち切った。大黒柱として、バットでもチームを鼓舞した。三回2死三塁で迎えた打席。「思い切り踏み込みました」と外角直球を振り抜いた。バックスクリーンやや左に飛び込む同点2ランを放ち、ガッツポーズ。再び2点差をつけられた八回には、痛烈なセンター返しで逆転劇の口火となった。

 東のスター軍団を撃破し、34年前の最高成績に並ぶ4強入りは目の前だ。8強唯一の公立でもあり地元秋田も大いに盛り上がる。ここまで3試合を一人で投げ抜き475球41奪三振の鉄腕エースは「次こそは完封したい」と息巻いた。“金足旋風”を再び巻き起こし、第100回記念大会の主役の座をほしいままにする。

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