ヤクルト石川 パーフェクト逃すも「自分のことを信じていないので」

 「中日1-3ヤクルト」(12日、ナゴヤドーム)

 偉業の達成はならなかったが、ヤクルト・石川はチームの快勝に自虐的なジョークを飛ばした。

 「自分のことを信じていないので。いつか、ヒットを打たれるだろうと思って投げていました」

 天国から地獄。そして、また、天国へ。ジェットコースターのような試合展開だった。130キロ台の真っすぐに多彩な変化球を低めに集めて、七回終了までパーフェクト。マスクをかぶった井野が「全球種が全て構えたところに来た。完璧」と振り返る投球で期待が高まった。

 しかし八回、先頭のビシエドに左中間二塁打を打たれた。続くアルモンテの中飛はフェンス際で青木がジャンピングキャッチしたように見えたが、フェンスに当たったとされた。リクエストによるリプレー検証でも覆らず、無死一、三塁。石川はここで降板。そして、代わった近藤が平田に左犠飛を打たれた。完全の夢が消滅した直後に得点されるという、悲劇を絵に描いたようなパターンだったが、九回にバレンティンの逆転28号2ラン。石川の快投もここで報われた。

 「これからもチームに勝つチャンスを与えるピッチングをしていきたい」と石川。まだまだ、やれる。昨年、4勝14敗で引退の文字もよぎった38歳左腕は、偉業の代わりに自信の2文字を取り戻した。

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