「高校野球香川大会・準決勝、高松７－６観音寺一」（２１日、レクザムスタジアム）

　高松が逆転で観音寺一を下し、６４年ぶりの決勝進出を決めた。

　４－６の２点ビハインドで迎えた八回、高松は連打で２死一、二塁のチャンスをつくると、７番・土田悠介外野手（３年）が左中間を破る２点適時三塁打を放ち同点に。さらに、続く８番・石田公平捕手（３年）が、粘ったあとの１１球目を左前にはじき返し、勝ち越し点を奪った。

　殊勲打の石田は、石田茂登監督（４９）の長男。“父子鷹”で決勝進出を果たし「辛抱強く食らいつけた。劣勢でもみんなあきらめていなかった」と小柄な捕手は胸を張った。石田監督は「彼本来の打撃を見せてくれた。選手たちの集中力が勝因」と目を細めた。

　同校は県内有数の進学校として知られ、作家・菊池寛ら各界に多くの著名人を輩出している。野球部ＯＢには、監督として西鉄の黄金期を築いた三原脩氏や、東大からプロ入りして横浜、日本ハムなどでプレーした松家卓弘氏（現香川中央高教諭）らがいる。

　また、同校は１９１５年に始まった夏の甲子園の第１回大会（当時は全国中等学校優勝野球大会、豊中グラウンド）に出場した全国１０校のうちの一つで、それを含め甲子園には春４回、夏４回の出場経験がある。２００５年には２１世紀枠でセンバツ出場したが、夏は１９３４年が最後。英明－丸亀城西の勝者と対戦する決勝で、実に８４年ぶりの夏の聖地を目指す。