「高校野球北大阪大会・２回戦、大阪桐蔭９－０四條畷」（１６日、大阪シティ信金スタジアム）

　史上初となる２度目の甲子園春夏連覇を目指す大阪桐蔭が、七回コールドで初戦を突破した。公立校ながら１回戦で関西創価を下した四條畷との対決。機先を制したのは、金の卵の足だ。

　二回、４番・藤原恭大外野手（３年）が右中間へ落ちる打球に５０メートル５秒７の快足を飛ばして二塁へ悠々セーフ。続く５番・根尾昂内野手（３年）の中前打で三塁コーチの制止を振りきり、一気に本塁を陥れた。

　西谷浩一監督は「“強引な”走塁だったが、あれも藤原のよさ。先制点をどうしてもほしいところで、藤原の足で取れてよかった」と振り返った。「普通ならアウトカウントを見ても行くところじゃない」という場面での激走。そこには「藤原しか行けない。藤原だから行ける」と絶大の信頼がある。

　藤原は「タッチアップを狙っていたが、落ちた瞬間に行こうと思った」としてやったりの笑顔。「自分としてもチームとしても最高の形で（先制）点が取れた」。３－０の三回にも２死から四球で出塁。根尾の左越え二塁打の間に一塁から生還するなど、プロ注目コンビの息はぴったりだ。

　２塁打２本の２安打１打点。右膝を痛めた影響で今センバツでは本調子ではなかったが、最後の夏に「不安はない」と言いきる。「筋力もついて走力も上がった。自分の足に自信を持っている」と胸を張る４番のすごみは増している。