佐野日大が快勝 元阪神・麦倉監督の采配ズバリ 抜てきの松本が勝ち越し安打
「高校野球栃木大会・2回戦、佐野日大8-1栃木翔南」(12日、宇都宮清原球場)
元阪神投手の麦倉洋一監督率いる佐野日大が初戦を七回コールドで突破した。同点の五回、大会開幕直前に登録変更でメンバー入りした松本翔大外野手(2年)が決勝打。夏8年ぶりの甲子園へ、第一歩を踏み出した。
母校就任2年目を迎えた麦倉監督のさい配が光った。初回に先制しながら1-1と追いつかれて迎えた五回。1死満塁から5番・松本に勝ち越しの右前適時打が飛び出した。「クリーンアップを打てる」とギリギリで背番号19を託し、スタメンに抜てきした起用がはまった。
殊勲の松本には今春、投手にも挑戦させるなど期待をかけていた。「(監督から)最後の最後まで変更できるから頑張れと言われていた。(メンバー入りは)うれしかったですし、やってやると」と松本。チーム内の競争意識を活性化させ、選手の気持ちに火をつけた。
オリックスのルーキー・田嶋大樹投手を兄に持つエース右腕・俊輔投手(3年)は登板させなかった。「これをどう思うか」。厳しい夏の戦いへ、背番号1の発奮を促した。平成最初の夏の甲子園で初勝利、初完封、初本塁打を記録した指揮官が、平成最後の夏に新たな歴史を刻むべくタクトを振る。