楽天のゼネラル・マネジャー（ＧＭ）に、元ヤクルトの石井一久氏（４４）＝野球評論家＝が就任することが６日、明らかになった。現在最下位の現状から、来季の巻き返しへ抜本的な再建を図る楽天は、日米両球界を経験し卓越した野球理論に定評がある石井氏に白羽の矢を立てた。

　この日、立花球団社長は「オファーさせていただいております」と、就任要請を行っていることを明言した。今年１月、これまで編成面を統括してきた星野仙一球団副会長（享年７０）が死去。積極的な補強に加え、現場とフロントの橋渡し役も担っていた星野副会長を失い、立花社長は「われわれはこうしたポストを模索していたのは事実」と話した。

　石井氏は９１年度ドラフト１位でヤクルトに入団。０２年にメジャー移籍し、ドジャース、メッツでプレー。０６年に日本球界復帰後はヤクルト、西武と渡り歩き、１３年限りで現役引退した。日米通算１８２勝を挙げ、その技術の高さを裏打ちする野球理論には楽天・岸ら“信奉者”も多い。米球界の知識が深いことも編成面でもプラスだ。三木谷オーナーとも旧知の仲で、これまでも水面下で首脳陣候補に挙がるなどしていた。

　今季チームが最下位に沈み、６月１６日に成績不振の責任を取って梨田前監督が辞任。平石監督代行が現在指揮を執っている中、ＧＭ新設で、来季に向けドラスティックな改革を断行する。今後、正式発表を経て、入団は９月頃になる見込みだ。