安仁屋さん豪快始球式「プロより緊張」 沖縄大会開幕

 第100回を迎える全国高校野球選手権大会の地方大会が23日、全国のトップを切って沖縄と南北北海道で開幕した。沖縄大会の開幕戦前には、沖縄(現沖縄尚学)OBで元広島・安仁屋宗八さん(73)=本紙評論家=と、豊見城OBで元オリックス・石嶺和彦さん(57)=社会人野球エナジック監督=が始球式を行った。また南部工-八重山商工戦で、夏の地方大会では初のタイブレーク制が適用された。

 沖縄にとって特別な日に、高校野球界にとって特別な夏が幕を開けた。慰霊の日に第100回大会が開幕。沖縄野球界のレジェンド・安仁屋さんが、記念の第1投を投じた。

 開幕戦の沖縄高専-球陽の開始前。安仁屋さんが石嶺さんとともに、母校の復刻版ユニホームの上着を着用してグラウンドに現れると、観衆は大歓声と拍手で迎えた。

 「ドキドキ、ワクワクした。プロで投げるより緊張した」

 安仁屋さんはマウンドへ。捕手には、右打席に立った石嶺さんの外角に構えるように要求。豪快に振りかぶって投げると、84キロの直球が外角へ決まった。

 再び大きく沸いたスタンドに手を振ると、「130キロを目指していたんですけどね。100回大会の始球式をさせてもらえたことに感動しています」。冗談を交えながら、故郷の大歓迎を喜んだ。

 「慰霊の日」の登板。特別な思いがあった。安仁屋さんは終戦直前に生まれ、高校時代は米国統治下だった。「もう2度と戦争は見たくない。幸せな中で、野球ができるのはうらやましいし、頑張ってもらいたいね」。球場に掲揚された国旗には喪章をつけられ、半旗に。正午には試合を中断し、全員で沖縄戦の激戦地となった本島南部を向いて黙とうを捧げた。安仁屋さんにとっても忘れられない一日となった。

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