巨人・菅野智之投手（２８）が来季開幕戦となる３月３０日の阪神戦（東京ドーム）に先発することが、１１日までに内定した。菅野の開幕投手は２年ぶり４度目。この日までに通達した高橋由伸監督（４２）は「彼が投げることが自然」と全幅の信頼を口にし、この日、神奈川県伊勢原市の東海大学医学部付属病院を訪問したエースは「しっかり最後まで投げ切れるように」と完封を視野に虎狩りを誓った。

　「特別な場所」と表現する開幕マウンドに、エースが２年ぶりに立つ。高橋監督から「全部、お前に任せているから」と厚い信頼の言葉を授かったという菅野は、真剣なまなざしで決戦の舞台を見据えた。

　「チームの決意の表れに応えないといけない。阪神戦ということで、盛り上がると思う。何とか３連勝でもすれば波に乗ると思いますし、阪神ファンを味方につけられるぐらいの投球をしたい」

　相手はメッセンジャーの開幕投手が決まっている。「本当にクレバー。何度も投げ合っていますけど、本当に素晴らしいピッチャー」と敬意を抱く。その右腕とは過去３度の投げ合いで０勝２敗。「初回から飛ばしていく」と年に一度のマウンドで、今度こそ難敵に投げ勝つ。

　目指すは完封だ。巨人の開幕戦での完封勝利は９６年の斎藤雅樹（現１軍投手総合コーチ）以来、成し遂げられていない。同コーチはこの年を含め、３度の開幕完封を飾っている。「開幕戦で完封するのがどれだけ難しいことかは分かっているので、何とかそこに肩を並べられるように」と力を込めた。

　Ｖ奪回が至上命題の来季。その初戦を託された。「厳しいスタートになる気がするので、スタートというのは落とせない」。求められるのは勢いをもたらす快投しかない。今季は一度は開幕投手が決まりながらも、ＷＢＣの疲労を考慮され回避したエース。２年ぶりの大役に決意を新たにした。