カムバック賞が生まれた日、岩瀬の誕生1カ月前だった 表彰式の日は奇しくも…
プロ野球のタイトル獲得者らを表彰するNPBアワーズが20日、東京都内で開かれた。カムバック賞には、4年ぶりとなる50試合登板を果たした中日・岩瀬仁紀投手(43)が受賞。NPBで最初の同賞受賞者はヤクルトなどでプレーした石岡康三で、セ・リーグから正式発表されたのは43年前となる74年。岩瀬が誕生する1カ月前のことだった。(敬称略)
NPBでは、74年にまずセ・リーグでカムバック賞が新設された。岩瀬の誕生日11月10日から30日前となる10月11日、セ・リーグが石岡の選出を正式発表した。
翌10月12日付のデイリースポーツ紙面では、コーチ兼任でプレーしていた前年73年の不振から、現役一本に絞り復活を遂げたことが評価されたと伝えている。
73年の石岡は6試合で0勝1敗、防御率6・00。一転、翌74年は33試合の登板で6勝5敗8セーブ、防御率2・06の好成績。この年のヤクルトはリーグ3位。石岡にとって、61年以来、13年ぶりとなるチームのAクラス入りを支えたシーズンでもあった。
石岡は明大から64年に国鉄に入団。チームは65年から68年はサンケイ、69年にアトムズ、70年からヤクルトと名前が変わり、石岡は76年までプレーした。70年には開幕投手も務め、4月12日、甲子園での阪神戦で5回3失点で敗戦投手。プロ実働13年で通算385試合に登板。先発、リリーフで活躍し61勝78敗、9セーブの記録を残した。
中日一筋でプロ野球新記録となる通算950試合登板を達成しコミッショナー特別表彰も受けた岩瀬。なお、デイリースポーツ紙面では、石岡の表彰式は74年10月12日、神宮での巨人戦前に行われる、と報じている。
ちなみにこの日は、中日が54年以来の優勝を成し遂げた日。リーグ9連覇でV10を目指していた巨人を振り切っての歓喜だった。(デイリースポーツ)