履正社・安田62号 大阪桐蔭と準決勝「今なら絶対勝てる」

 「高校野球大阪大会・準々決勝、履正社10-0大体大浪商」(27日、南港中央球場)

 準々決勝4試合が行われ、履正社は今秋ドラフト1位候補の安田尚憲内野手(3年)が、高校通算62号を含む2安打3打点で4強へ導いた。準決勝では今春センバツ決勝で敗れた大阪桐蔭と激突する。今大会、打率・733、3本塁打、13打点の主砲は「今のチーム状態なら絶対勝てる」と自信を見せた。大阪桐蔭は底力を見せる逆転勝ちで4強へ進出した。

 心身ともに最高潮だ。安田はスタンドインを確認すると、珍しく右拳を突き上げた。高校通算62号2ラン。大阪桐蔭への挑戦権をたぐり寄せる一発に感情を爆発させた。

 大体大浪商の先発は左腕・宮本大勢投手(3年)。4回戦・槻の木戦で5回参考記録ながら、ノーヒットノーランを達成した今大会屈指の好投手だ。

 1点を先制した後の初回無死一塁。「甲子園決勝ぐらいの気持ちの高ぶりを持っていった。相手にのみ込まれないように、気持ちを前面に出そうと思った」。チェンジアップを捉えて、中堅右へ62本目のアーチを描いた。

 勢いは止まらなかった。二回無死一塁は左翼フェンス直撃の適時二塁打。あと1メートル伸びていれば、柵越えしていた打球だった。三回1死一塁は見逃し三振に終わったが、5球目には右翼ポール最上部付近を通過する特大ファウルを放った。

 今大会は6試合で15打数11安打、打率・733、3本塁打、13打点。バットを振れば快音が響く。視察した4球団7人のスカウトも勢いを感じ取った。中日・石井チーフスカウトは「見逃しにも打ちに行く姿勢が出ている。能力がすごいのは間違いないし、それができているので鬼に金棒」。投手との空間を支配するオーラに舌を巻いた。

 主砲の活躍で今春大阪大会準優勝の大体大浪商に圧勝。直後に行われた2試合目で大阪桐蔭が興国に勝ち、今春センバツ決勝以来の再戦が決まった。履正社にとって初の甲子園優勝を逃した敗戦から約4カ月。安田はあの悔しさを忘れた日はない。

 「リベンジをしたい。今のチーム状態なら絶対に勝てると思う」

 待ってろ、大阪桐蔭-。世代屈指のスラッガーが宿敵を蹴散らし、3季連続甲子園出場に王手をかける。

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