楽天・福山37戦目の今季初失点 梨田監督「信頼は変わらない」

 「日本ハム4-3楽天」(20日、札幌ドーム)

 右腕はぼう然と打球の行方を見つめた。3点リードの八回無死一、二塁。レアードに投じたシュートが高めに抜け、左翼席に消えた。開幕から防御率0・00を誇ってきた楽天・福山博之投手(28)が、まさかの同点被弾。登板37試合目でついに自責点を喫した。チームにもショックが伝わったかのように、サヨナラ負けを喫した。

 福山の登場に誰もが盤石の勝利を確信していた。だが、先頭の松本への四球が誤算だった。続く中田には真ん中に入ったスライダーを中前に痛打され、痛恨被弾の要因となった。

 「ちょっと高かったです。狙ったとこよりも高かった」と悔いが残るレアードへの1球を振り返った。

 梨田監督も落胆の表情を浮かべるしかなかった。「先頭の四球だね。中田へのスライダーも投げ損ない。甘く来てね。きっちり来ていたら、ショートゴロゲッツーだったけど…」。首位を走る原動力の一因は救援陣の充実であり、それを支えてきたのが福山だった。剛速球こそないが、スライダー、シュートと横の変化で散らし、確かな制球力で支える投球スタイル。今季はその精度が抜群にさえていた。だがこの日、わずかなコントロールミスが勝敗を分けた。

 防御率は0・81へと変わったが、それでも堂々の数字だ。タフに貢献してきた右腕に指揮官は「信頼は変わらない」とうなずいた。

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