福岡大大濠・三浦、中1日計326球翌日「投げたかった」

 「選抜高校野球・準々決勝、報徳学園8-3福岡大大濠」(29日、甲子園球場)

 1球も投げず、ゲームセットを迎えた。昨秋からの公式戦17試合目で初めて登板せず、他の3投手の継投で報徳学園(兵庫)に完敗。福岡大大濠・三浦銀二投手(3年)は「自分が投げて負けるより悔しい」とチームの力になれなかった自身を責めた。

 引き分け再試合となった滋賀学園との2回戦で計326球。初戦を含めると今大会の球数は475球に達していた。疲労が考慮され、この日の朝に八木啓伸監督(39)から「今日は投げない」と告げられた。

 「投げられる状態だったし、投げたかった。でもそれは監督が判断すること」

 頭では納得していたが、試合が始まると体が勝手に動いた。初回に続き八回にも「やめとけ」という指揮官の制止を振り払ってブルペンへ。「少しでも相手にプレッシャーをかけたかった」。キャッチボールをしながら味方の逆転を待ったが…。

 小学3年時に書いた作文がある。タイトルは『銀二の一生』。原稿用紙2枚につづった自身の未来予想図だ。そこで銀二少年は地元の公立高校に入り、「エースで4番」で甲子園に出場。プロ野球選手になって大活躍する。「引退したら八百屋さんになるそうです」。母・礼子さん(48)は楽しそうに笑う。

 細部は少し違っているが、三浦は少年時代に描いた夢の道を真っすぐに進んできた。「この悔しさを糧にして、またここに戻ってきたい」。鉄腕はしばらく肩を休めたあと、再び夢の続きに歩を戻す。

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