福井工大福井、41年ぶりセンバツ勝利 主砲・山岸が同点2ランで流れ戻した
「選抜高校野球・1回戦、福井工大福井6-4仙台育英」(23日、甲子園球場)
高々と舞い上がった白球が左翼席へ伸びていった。そのままフェンスを越えていった4番・山岸旭外野手(3年)の打球。相手に傾いていた流れを主砲のバットが引き戻した。
「相手が自信を持っている球を打つと流れが変わると思っていたので、とにかく真っすぐを狙っていました。入ってくれと思って走りました」
2点を追う四回。2死二塁で4番・山岸旭内野手(3年)が打席を迎えた。1ボールからの2球目、高めに抜けたボールを強振。同点2ランを左翼スタンドに運んだ。
主砲の一発で打線に火がついた。2-4の八回には、島谷元貴捕手(3年)の左前への2点適時打で再び同点に追い付き、九回、暴投などで2点を奪って勝ち越しに成功。10安打6得点で、1976年以来となる41年ぶり春の勝利をつかんだ。
冬場の取り組みを存分に発揮した山岸。昨年、敦賀気比で第88回選抜高校野球に出場した親戚の植村元紀さんから「次はお前の番や」と言われ、高校時代に使っていた1300グラムの木バットを手渡された。「初めは重くて振れなかったですが、いまではしっかりと振れるようになった」。毎日バットを握り体に覚え込ませた。
手応えも十分だ。「捉えたときに打球の飛ぶ飛距離が変わった。バットにボールが巻き付く感じがする」と納得の表情を浮かべた。
二回戦は、『機動破壊』が代名詞の健大高崎が相手。「自分たちがやるべきことをしっかりやって、勝ちたいです」。主砲がバットでチームを頂点へとけん引する。