健大高崎・山下が満塁弾「完璧でした」
「選抜高校野球・1回戦、健大高崎11-1札幌第一」(22日、甲子園球場)
浜風など敵ではなかった。大声援に押され白球は右翼後方へ伸びていく。一塁ベースを回りスタンドインを確認すると、高崎健康福祉大高崎(群馬)の4番・山下航汰内野手(2年)は力強く拳を握った。
6-1の七回2死満塁のチャンスで第5打席が巡ってきた。「すごく気持ち良かった。完璧でした。みんながつくってくれた満塁。何としてもつなぎたかった」。カウント1-1からの3球目、高めに浮いた変化球を迷いなく振り抜いた。
大会史上23人目となるダメ押しの満塁弾。高校通算11号は自身公式戦初本塁打でもあった。大阪府柏原市出身で、プロ野球や高校野球観戦に何度も足を運んだ甲子園。「ここでホームランを打つことが夢でした」と満面に笑みを浮かべた。
この日は、16安打11得点と打線が爆発。同校の代名詞である足を絡めて相手を揺さぶる「機動破壊」だけではなく、今年のチームは打力もある。春夏通じて初の頂点へ、健大高崎の快進撃は始まったばかりだ。