東邦・藤嶋劇場 11奪三振&V打

 「選抜高校野球・1回戦、東邦6-0関東第一」(22日、甲子園球場)

 ドラフト候補の東邦・藤嶋健人投手(3年)が投げては九回途中1安打11奪三振、打っては決勝打と1年夏以来の聖地で“ワンマンショー”を繰り広げた。エースで4番の主将に引っ張られ、チームは先発全員の14安打6得点で快勝した。

 ガムシャラに投げた2年前とは違った。まるで相手を威圧するかのように、圧倒的なオーラを漂わせる“バンビ2世”の存在感-。九回2死まで1安打11奪三振の快投を演じ、決勝打も放った藤嶋は「楽しかった」と満面の笑みを浮かべる。

 一回2死三塁から「新しいバットは打てる気がするんです」と、新品のバットで痛烈に三遊間を破った。自ら先制点をたたき出すと、マウンドでは圧巻の投球で三振の山を築いた。走者を出すとギアを上げ、スカウトのスピードガンで直球はすべて140キロ超え。最速144キロを記録し「甲子園での1勝は自信になる」と力を込める。

 エース、4番、そして主将-。昨夏の新チーム結成時、仲間を引っ張ろうとして空回りする藤嶋がいた。SNS上では甲子園で活躍する選手の話題であふれ、「俺は何をしてるんだろう」と焦りを募らせた。

 そんな中、森田泰弘監督(56)にこう諭された。「お前一人で頑張るんじゃなく、仲間を巻き込んで強くなった方がいいんじゃないか」-。その言葉を胸に「自分が一生懸命にならない。1人でやらないように」と意識を変えると、自然とチームがまとまりだした。

 藤嶋の“強さ”に巻き込まれた打線は今大会初となる先発全員の14安打。強烈な大黒柱を持つ優勝候補は、そう簡単には倒れない。

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